IIDX72採掘場

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食い逃げって何罪だよ

窃盗罪か詐欺罪ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラーメン屋を舞台に具体例を用いて説明します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初の事例は、

 

 

 

 

「あなたが最初から食い逃げの目的をもってラーメンを注文した場合。」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この場合、店員さんにラーメンを注文し、ラーメンが交付された時点で一項詐欺が成立します。

 

 

 

刑法 | e-Gov法令検索

 

 

 

 

店員さんが食い逃げしようとおもっている人にラーメンを提供することはありません。

 

 

 

 

食い逃げの目的を隠し、支払い意思があるかのように装って注文することは、挙動によって店員さんを欺いているといえます。

そして、その欺罔行為により錯誤に陥った店員さんがラーメンを交付したら、店員さんは騙されて財物交付した、ということになり一項詐欺が既遂となります。

 

 

 

 

 

 

 

残念でしたね。

 

 

 

パトカーに乗る警察官のイラスト

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の事例は、

 

 

「ラーメンを注文した時点では支払いの意思があったが、完食完飲後に食い逃げしようと思い立った場合」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食べた後に財布がないことに気づいた、というようなケースですね。

 

 

 

 

 

 

 

このとき、注文の時点では店員さんを欺く意思がないため、一項詐欺は成立しません。

 

また、ラーメンは店員さんの手によってテーブルへ交付されているので、窃盗罪などにもあたりません。

 

 

 

 

 

となると、刑法上の構成要件該当性のない行為ということになります。

 

 

 

 

以上のことから、

 

ラーメンを食べた後、突然食い逃げしたくなり、店から忽然と退店した場合、その行為は犯罪にならない。ということになります。

 

 

 

 

 

もちろんこの場合も犯罪行為でないだけで、違法な行為ではありますから不当利得返還請求権等の民事責任を負うことになります。

 

 

 

 

 

残念でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ、もしもこの事例であなたが退店する際に、「トイレに行ってくる」「家まで財布を取りに行ってくる」等店員さんにウソをついていた場合、話が変わります。

 

 

 

 

 

この場合、ラーメンは既に交付、完食され存在しないので、ラーメンそのものではなく、ラーメンの代金に対する詐欺が成立する可能性があります。

 

 

 

 

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2項詐欺が成立するには、あなたの「トイレ行ってくる」又は「家まで財布を取りに行ってくる」等の欺罔行為により、店員さんがあなたのラーメン代金の支払いを事実上免脱させたという認識が生じたということが必要になります。

 

 

 

これがなければ、店員さんが財産上の利益をあなたに得させたと言えなくなってしまうからです。

 

 

 

 

 

 

これを前提に「トイレ」「家まで財布」を見てみます。

 

 

 

あなたに家まで財布を取りに行かせてあげる、というのはあなたが家に帰り財布をもってくるまで支払いを猶予している、といえるため店員さんは財産上の利益をあなたに提供した認識があったといえるでしょう。

 

 

 

 

 

よって、あなたは2項詐欺の罪責を負います。残念でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では「トイレ」ではどうでしょう。

 

 

トイレにいっただけの人に支払い猶予させる、みたいな感じの意思は普通生じないですよね。

 

 

 

 

ということで、トイレに行ってくると言って店員さんを欺いた場合、二項詐欺の成立はありません。

 

 

 

 

 

 

よかったですね。

 

 

 

 

■

 

 

 

 

 

 

ただもちろん、民事上の責任は。となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上の通りです。

 

 

犯罪は割に合わないのでやめておきましょうね。

 

 

 

 

 

 

 

おしまい